遺伝子検査をするメリットと注意点

⒈遺伝子からわかること

人の容姿や体質などを決めるのは遺伝子です。
体の中にあるおよそ60兆ある細胞の核にある染色体があり、染色体はDNAという紐状の物質物質によってできています。
DNAをさらにほどいていくと化学物質が並んでいます。
この並び順が人間の設計図と言えるものです。

その設計図を読み解けば、その人の遺伝的な特徴を知ることができます。
詳しく遺伝子を調べることで、何を得られるのかというと、例えば家族、親戚にがん患者が多いというとき、遺伝子検査をしてみることで、将来自分もがんになる可能性がわかるといのです。

こちら・・・保健科学東日本

もちろん、調べることができるのは、がんになるかもしれない可能性であり、必ずなるというわけではありません。
逆になる可能性が低いと結果が出た病気でも、発症してしまうことだってあります。

それは遺伝子検査の限界であり、技術が進歩すれば精度があがるとしても確実な未来予測ではないのです。
ただ、そのように遺伝的に発症する可能性が高い病気を知ることができれば、それに備えて予防となる食事や運動を心がけたり、病気になるかもしれない部分を切除することができます。

⒉薬の効きやすさ、副作用の出やすさも調べられる

他にもダイエットに興味がある人ならば、食事をして脂肪がつきやすい、つきにくいということを遺伝的な特性から調べることができます。
その結果でその人にあった最適なダイエット方法がわかります。

さらに医療の現場では、遺伝子で薬の効きやすさ、副作用の出やすさも調べられます。
同じ病気でもいろいろな種類の薬があるとき、どれが患者に合っているのかは普通ならば試していかなければわかりません。

それでは時間と費用を費やすことになり、病気が進行してしまうリスクも出てきます。
ですから遺伝子を調べて患者の体質に合わせた薬を処方することができれば、効率的な治療を進めることができるのです。

これをオーダーメイド医療といって、正しい信頼が出来るように海外では多額の資金を投入して、異なる年齢性別の人の検体を採取してデータベース化しています。

さて、医療機関や研究機関による遺伝子検査ではなく、テレビやネットの広告などでよく見ることが出来るサービスは本当に信頼できるのかという問題があります。

検査キットを購入して唾液や尿などを採取してから業者に発送するという手軽さが人気ですが、これは医療行為ではありません。
検査をする人間や設備の質についてもよくわかりませんし、集めた情報が適切に管理されていうことも疑問です。

⒊厚生労働省の審議会では法規制が検討されている

送ったサンプルから遺伝子を調べて病気になる可能性があるという結果が送られてきても、そこに科学的な根拠がないのであれば占いと変わりません。
業者の質がピンからキリまで違いがあるので、複数の業者で遺伝子を調べてもらったら、全く違う結果が出てくるということも起きてしまうのです。

そうなるとどれを信じればいいのわかりません。
市場が拡大し、業者の数も年々増加していることから怪しい業者の数も増えてきて消費者にとっては混乱を招く要因となっています。

そういうことを踏まえて、厚生労働省の審議会では法規制が検討され、文科省の作業部会で遺伝子検査を行うのに人や施設の基準を設けようという動きがあります。現状ではまだベンチャー企業の成長を止めるかもしれないという反対意見もあり、結論は出ていませんが将来的にはなんらかの規制が行われる可能性が高いです。

それを踏まえて、遺伝子検査をしてみたいというときに、どこの業者に依頼すればいいのかというと信頼性の高いところを選ぶことを第一にしましょう。
先に触れたように怪しい業者を排除するために、規制の声があることから業界団体では経産省と連携して自分たちで認定制度を設けて消費者が安心して利用できるよう信頼性を高める試みをしています。

⒋絶対に調べておきたい項目がサービスの中にあるのかがポイント

業者の信頼性は、何にも代えがたい個人情報を守るという意味でも重要です。
遺伝子の情報が外部に漏れてしまえば、どのような形で悪用されるのかわかりませんから、認定を受けるにあたって個人遺伝情報を守るための取り組みをしているならば、安心して任せることができます。

ということで、審査を受けて認定をうけた業者は、健全で適切なサービスを提供できているということで候補に挙げても良いでしょう。
さらに絞り込みたいならば、絶対に調べておきたい項目がサービスの中にあるのかがポイントです。

ダイエット目的で調べるとしても、調べる遺伝子というのは業者によって変わってきます。
何を調べるのかは最初にサービスの内容として書かれているはずなので、事前に確認をしておくべきです。

検査をするにあたって科学的な根拠を得るために、対象となる分野の専門家による監修を受けてる業者であればさらに情報の信頼性が高まります。

このように普及しつつある遺伝子検査ですが、本当に意味があるのかということでは医療関係者の間でも意見が分かれています。
まだ始まったばかりのものですから、実際に利用した人がどれだけ助けられたのかという情報を集めなければわかりませんから、様子を見たほうがいいでしょう。